あの山に登れるのか?どんな装備は必要か?撤退か挑戦か?行動の基本となる判断力を高めるためにリスクとハザードを基に考えるようになろう!
安全登山に必要な判断力とは?
登山に求めること言えば、美しい景色、美味しい山メシ、温泉などの楽しい事はもちろんですが、無事に帰ってくることが前提となりますよね?
無事に帰ってくるために最も重要なことは適切な判断をすることです。
間違った判断をしてしまうと怪我や遭難、最悪の場合は命を落とすこともあります。
では、登山計画を立てる時、崩れた登山道を目の前にした時、日々求められる判断をどう考えれば良いでしょうか?
このときに参考になるのが”リスクとハザードから危険度を導き出す”という考え方です。
今回は安全登山技術の基本として「リスクとハザード」について記事にしてみました。
リスクとハザードから危険度を考える
※リスク、ハザード、危険度は言葉としていろいろな意味がありますが、便宜上以下のように考えます。
リスク:発生時のダメージ
→ どんな損失(怪我、時間など)があるか?
ハザード:発生頻度(可能性)
→ 事故が起こる可能性はどのぐらいか?
危険度:リスクとハザードから考えられる危険性
→ 安全か危険か?挑戦すべきか撤退か?
「この道は危険かどうか?」「この道を進むか撤退か?」判断するする場合。
リスクは、バランスを崩した時に、転倒して擦り傷で済むようなダメージ少なのか、滑落して致命傷を負うようなダメージ大なのか推測する。
尖った石があるかないか、キレ落ちて数百メートルは止まらないな、など観察し情報収集する。
ハザードは、バランスを崩す可能性はどのぐらいか?例えば、熟練した登山者か、初心者かでも異なる。また、天気や、時間帯、荷物の量(大きさ重さ)などでも変わってくる。
リスクとハザードの両面から総合的に危険度はどのぐらいかを判断していくこととなる。
この危険度の判断は知識や経験によって精度が上がるため日々の鍛錬が重要です。
冒険や挑戦には必ず危険が伴うが、自分でリスク判断した危険度を理解していることが重要である。
また、パーティーで判断に迷った時にどう危険度を見立てたのか話し合うことができるため行動に納得感が得られやすいです。
危険度がわかったらどうする?
「危険だから撤退!」と毎回撤退していては辿り着けない場所もあります。
では、どうしたら良いのか?
切れ落ちた場所を避けて迂回ルートをとることでリスクを回避する。
ロープで確保して滑落を防ぐ。
さらには事前に体幹を鍛えバランスを崩さない歩き方をマスターしておく。
余裕を持った行動計画や登山全体のバランスなど事前準備を入念にしておく。など
自然は変えることができませんが、自身で情報収集、観察、体力、技術、知識、装備などを考え危険度を下げていくことで難易度が高い山でもチャレンジできるようになります。
気候の変化や時間の変化など想像力を働かせ自然に立ち向かう楽しさはこれにあるのかもしれません。
判断力が無い人は山に挑戦できない
「10月末に燕岳に登りたいのですが、アイゼンは必要ですか?」と質問されたとき、ベテランの方は「燕岳に登るのを諦めて技量に合った山を選びなさい」とアドバイスするそうです。
汗ばむような天気で雪がほぼない場合も、一晩で20㎝以上積もる可能性もある。
天気や現地の様子の情報収集ができていない。
アイゼンを重いと考える体力しかない。
自分の命の判断を人に委ねていると言われても仕方ないですね。
判断できる人ならチェーンスパイクもアイゼンも準備して適宜持っていけますね。
質問するならば「雪の状況や天気の予想、地域的特性」など判断材料や自分の見立てに間違いないかアドバイスを求めるってことですかね。
コメント